長い結婚生活の中でずっと平和に過ごしてきた家庭は、いったいどれほどいるのでしょうか。
おそらく見えてないだけで、様々な壁を、みなさん乗り越えてきたのではないかと思います。
私の両親もそのひとつでした。
世間から見れば私の家族はすごく仲のいい家庭だったと思います。
年に一回は家族旅行に行き、週末は外食をし、イベントごとは必ず一緒に祝う。
両親は特に仲が良く、周囲から見れば”理想の夫婦”に見えていたと思います。
だからこそ、私にとって結婚の理想像は両親そのものでした。
母の一言で崩れた理想
ある日、何気なく母に聞いたことがあります。
「今まで浮気とか、そういう問題はなかったの?」
冗談混じりに「あるわけないじゃん」と返ってくると思っていました。
しかし母は、あまりにも淡々と言いました。
「お父さん、浮気症だよ。」
父の浮気は、交際中から結婚後まで複数回あったそうなのです。
私が生まれた時も、弟が生まれた時も。
その瞬間、私の中の“理想の夫婦像”が崩れました。
娘の前で語られた裏切り
さらに衝撃だったのは、私が成人してからの出来事です。
父の誕生日に二人で食事に行ったとき、私と年の近い女性から好意を寄せられていると
嬉しそうに話しました。
「最近モテちゃってるんだよね〜」
その無邪気さに、強い嫌悪感を覚えました。
母への罪悪感も、娘への配慮も感じられなかったからです。
「もし何かあれば縁を切るから」
ここで食い止めなければ母が傷つくことになると思い、私はそう言いました。
でも頭の中がお花畑になっていた父には、全く届きませんでした。
家族が壊れた日
やがて、その女性とのデートが母に発覚します。
その女性に連絡してと問い詰められても、父はあろうことかデートを強行したのです。
その事実を聞いたとき、私は父を本気で軽蔑しました。
何より辛かったのは、母が傷ついている姿を見ることでした。
それまで居心地の良かった“家族”という場所が、音を立てて崩れた瞬間でした。
子供のために離婚しないという選択
私は母に言いました。
「私たちのために離婚しないなら、気にしなくていい。
私はお母さんの味方だから。」
でも結局母は離婚を選びませんでした。
「たまにバカなことするけど、一緒にいると楽しいの。」
その言葉を聞いたとき、私は何だか複雑でした。
何で平気で裏切るような人と離れる選択をしないんだろうと。
子供の本音
世の中には様々な理由で離婚を踏みとどまる人がいると思います。
・子供のため
・経済的な理由
・それでも好きだから
どれも簡単な決断ではないと思います。
でも子供の立場からすると、
大切な親が傷ついている姿を見ることの方が、よっぽど辛いんです。
両親が揃っていることが幸せとは限らない。
笑顔のない家庭にいることの方が、心をすり減らします。
それでも、嫌いになれない
今も私は父と最低限の関係を続けています。
親孝行として毎年誕生日には実家に帰り、一緒にお祝いもします。
でも、あのときの感情は消えることはありません。
夫としては裏切りの多い人だったけど
それでも、父としては愛情を注いでくれた人。
だからこそ、心の底からは嫌いになりきれない。
その矛盾を抱えたまま、私は大人になりました。
本当に子供のためとは何か
「子供のために離婚しない」
その言葉は、本当に子供のためなのでしょうか。
子供は、親が思っている以上にすべてを感じ取っています。
そしてその感情は、大人になっても消えないことがあります。
答えはひとつではありません。
でも少なくとも、“子供のため”という言葉の裏に
子供の本音が置き去りにならないことを願っています。
これはあくまで、ひとりの子供側の気持ちです。
もし今、同じように悩んでいる方がいたら、
こんな思いを抱えている子供もいるということを、
少しだけ知ってもらえたら嬉しいです。

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